建物診断
あなたのマンションや建物は大丈夫ですか
建物は、竣工後、経年とともに劣化が始まり、いずれは保全を行う必要が出てきます。保全はその目的によって「維持保全」「改良保全」の2つにわかれます。
【維持保全】 |
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【改良保全】 |
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マンションや建物の機能や性能を維持を目的とします。 |
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マンションや建物の機能や性能を元の状態に戻す、またはそれ以上の水準に引き上げます。 |
- 劣化箇所の修繕
- 給排水管など更新
- 劣化部品の取替
- 定期点検
- 劣化状況の診断
- 建物設備を維持するための保守
- 清掃・クリーニング
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など
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予め計画的に決められた時期と手順によって行う保全を「予防保全」と呼び、不具合や損傷が生じた後に、修繕をしたり、交換したりする事を「事後保全」と呼びます。一般的には「予防保全」と「事後保全」では「事後保全」の方がコストが高くなる傾向があります。
建物の劣化はある日突然進むのではなく、日々少しずつ進んでいくものです。
下にマンションの防水層や外壁面の劣化のサインの一例をご紹介いたしますので、あなたのマンションや建物を一度観察してみてください。もし当てはまる項目が多ければ、出来るだけ早い時期に保全についてご検討されることをおすすめ致します。
防水工事
防水工事とは
防水工事は、コンクリート建造物の雨や水にさらされる部分を防水処理することで、 建物内部に水が染み込むのを防ぐ工事です。
新築時でも、初期硬化によりわずかなひび割れが一般的な鉄筋コンクリート構造物には存在しています。最初はまったく影響ありませんが、時間の経過とともに微小なひび割れが大きくなっていき、ひいては水漏れなどの原因になります。さらにコンクリート内部へ水が侵入すると内部 鉄筋の錆びの原因となり、建物の耐久性の低下にもつながる恐れがあります。
急ぎの対策が必要な劣化現象
雨漏れがしている
ドレンの流れが悪い、詰まっている
植物の根が防水層を貫通している
水溜りがひどい
このような現象が多く出ている場合は、防水層としての機能が著しく低下していることが考えられます。このまま放置するとマンションの躯体に影響を及ぼす恐れがありますので、早期に、調査を行い見積・予算検討・施工時期等を検討される事をおすすめいたします。
外壁改修工事
外壁改修工事とは
外壁改修工事は建物の外壁に生じたヒビや塗装剥がれを始め、タイルの浮きや剥落の補修などを行う工事です。
鉄筋コンクリート建物も経年とともに外壁にヒビが生じてきます。ヒビの原因は地震など 外部から力が加わったり、温度乾湿によるコンクリートの収縮などがあります。外壁のヒビから入った雨水が建物の躯体内部へ浸入すると鉄筋・鋼材が錆びてしまい、建物の躯体強度へも影響を及ぼします。
劣化の種類と症状
白亜化・チョーキング(※1)
外壁(コンクリート・モルタル)のひび割れ(クラック)、塗料のひび割れ
塗料の剥離・浮き
エフロレッセンス(※2)
鉄部(鋼材)のサビ01
鉄部(鋼材)のサビ02
シーリング部の劣化
露出鉄筋(露筋・爆裂)(※3)
- 【その他症例】
- 塗料の光沢低下、壁のツヤがなくなってきた
- 塗料の著しい変退色、壁の色が全然違う色になってきた
- 著しい汚れ、通常の洗浄方法で除去できない塵埃、カビ、サビ等
※1 仕上塗料表面が劣化し、材料成分がチョークの粉のようになっている状態。手の平で塗装表面を触ると手の平が白くなる。
※2 下地の可濃成分が漏水(ひび割れなどからの水の浸入)とともに塗膜表面に折出して、
空気中の二酸化炭素などとの反応によって難容性の白色物質となって表面に沈着する現象
※3 コンクリートのひび割れなどから、雨水などが浸入し、鉄筋・鋼材をさびさせる。
さびた鉄筋・鋼材は錆びる事によって膨張し、コンクリートを押し出し欠落又は欠落しそうな状態をいう。